トレーナーがいるだけで怪我が減る?

皆さんこんにちは。大野です。

今回ご紹介する論文は University of Colorado の Lauren が発表したこちらの論文です。

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

面倒な人のために結論だけ言うと、「アスレティックトレーナーを配置している高校の女子サッカー部と女子バスケットボールでは傷害発生率と再発率が少ないよ!」ということです!

 

これを3年生の時に読んで、こんな研究したいな~と漠然と思ったことを覚えています。

アブストラクトの翻訳程度なので、詳細はリンクから飛んでください!

それでは早速内容に。

 

 目次

 

 

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【題名】

 

女子サッカーと女子バスケットボールにおける傷害調査:アスレティックトレーナーがいる高校とそうでない高校の比較

 

【背景】

アメリカでは多くの高校生がスポーツ活動に参加しており、同時に毎年多くの学生が怪我をしている。それらは選手やその家族に、身体的・精神的、経済的な負担を与える。そして怪我が原因で生徒がスポーツ参加を中断してしまうことも多い。

そういった背景を踏まえ、アスレティックトレーナー(AT)がもたらしうる利益から中学校、高校での配置が推奨されている。

しかし高校にATがいることの効果に関して、傷害発生率を直接的に調べたものはない。

 

【目的】

ATがいる高校といない高校それぞれの女子バスケットボール部女子サッカー部の疫学調査を行い比較すること。

 

【方法】

調査期間は2006/07~2008/09シーズン。

 

ATがいる高校の傷害データは High School Reporting Information Online (RIO) を用いて収集。

ATがいない高校の傷害データは Sports Injury Surveillance System (SISS) を用いて収集。

 

 Athlete Exposure(AE) を算出し、10,000AEsごとの傷害発生率で比較を行った。

 

【統計】

率比(RR)と傷害の割合比(IPR)の信頼区間は95%信頼区間で算出された。

信頼区間に 1.00 を含まないものを「統計学的に有意である」とした。

 

【結果】

 

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RIOとSISSの比較

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RIOとSISSの比較

ATがいない学校のほうが、ATがいる学校に比べ全体的な傷害発生率と再発率が有意に高かった。

 

ATがいる学校のほうが、ATがいない学校に比べ、脳振盪の発生率が有意に高かった。

 

【結論】

今回の対象部活動における、傷害発生率や再発率の低下、脳震盪のある選手の見分け等、ATのポジティブな影響に関するデータを示した。

 



【私のコメント 】

こういう研究の場合、どうしても気になるのはバイアス的な所ですよね。

SISSとRIOは別々で収集されているけど、そこのずれはどの程度のものなのか?

 

いずれにせよ、この研究個人的にはなかなか面白いです。

 

私もこういったところからATの必要性を説いていければいいなと思っています。

 

ひとまず今回は終了。

今後もいろいろと探りながら投稿していきます。